ストリップ劇場に行ってみたら、ストリッパーを性的な目で見れなくなった話。

きっかけ:どこかで見た…ような

思春期も終わりかけたある日、父の本棚かどこかにあった、古びた官能っぽい小説を読んだことがある。中身はいかにもといった思春期の男子を描いたしょうもない話であったが、そこで出てきた「女性がだんだん裸になっていき、終いには客の男性の中からじゃんけんで勝った人と××をするストリップ劇場という名の場所がある」話が目に入った。
その時はやはり少し気になったものの、まあちゃんと見れる機会はいつかあるはずと呑気だったせいか、行きたくてしょうがない…とまで思わなかったような気がする。


時はすぎ、社会人になって仕事も慣れようとしてきたある暇な休日に、その小説で読んだストリップ劇場の存在をふと思い出してしまった。彼女いない歴は日々インクリメントしている身なのでやはり少し気になってしまう。
ということでおもむろに検索バーに「ストリップ劇場」と入れたところ、以下のことがわかった。

  • ストリップ劇場は昭和の存在で、今では減少の一途を辿っている。
  • とはいえ東京などにはストリップ劇場は複数存在する。
  • 客と××をするような(生板ありの)場所は警察の摘発対象になるので、ほぼ絶滅した(仮にあったとしてもネットで容易には調べられなさそう)
  • 3000〜5000円くらいで入れるらしい。娯楽の中では高いほうかもしれないが、決して割に合わないレベルではなさそう(社会人になればなおさら)

ということで、生の裸をどうしても見たいほどこじらせてるわけではないが、どうせ暇な休日だしちょっと興味本位で勇気を出して見に行きたい、とふと思った。
それに冷静に考えたら一人で行くにはボウリングとか居酒屋とか恋愛モノの映画とかより敷居の低い選択肢の一つな気がするし、渋谷区出身としてこんなままでは東京のことを知らなさすぎだ…と自分を奮い立たせながら着替えて家のドアを開けた。

新宿に降り立つと、いつもと違う街のように感じられる。普段乗り換えたり普通に居酒屋で駄弁ったり映画見たり買い物したり…と新宿には日常的に行ってたが、さすがにストリップ劇場という場所を目指すんだ…てのは初めてだからだろうか。
そう思いながら10分ほど歩くと、新宿ニューアートという劇場が見えてきた。地下へと繋がる怪しげな階段を、バンジージャンプする時のように勇気を振り絞って一歩踏み出した。

いざ入場

(中は撮影厳禁なので、できる限りの文章で伝えようと思う)
入場料は5000円で、Webサイトのクーポン表示で500円割引だ。物静かな雰囲気の窓口でお金を渡し、いざ扉の奥へと入る。
劇の流れは6人が3時間かけて交代でダンスを繰り広げて、それを1日4回繰り返す(入れ替えなし)といういつ行っても楽しめるシステムだが、運良く入った時はちょうど劇の最初が始まろうとしているところだった。


そして、いよいよ…ダンサーが登場する。初めに演じた女性ははじめはメイド服やバニーガールに扮して可愛らしく、ちょっと秋葉原に居がちな女の子らしく媚びた仕草も入りながら緩やかに踊る。
そんな姿にややオタクな僕はちょっと親近感が湧くが、段々と脱いでいくにつれて、イメージは徐々に変わっていく。
そして最後に脱いだ時で全裸になった時には可愛いなあと思う感情や性的な興味がどこかへと消え去ってしまった。
ゆっくり、丁寧にかつダイナミックに動く、体の凛々しさや美しさをただただ眺めることしか出来なかった。

このイメージの変化がとても神秘的とも、魅力的とも、不思議とも感じつつひたすら眺めていると、ダンスは終わりポラロイド写真撮影会の時間となった。

ダンス中は一切の無口でひたすらに演じきったストリッパーが、ここでは気さくな声でごく普通の可愛い女性になりきってファンと話しながら、写真撮影をするようになる。このギャップがまたなんとも僕の中のツボを刺激する。
普通に可愛らしいポーズからM字開脚まで皆それぞれのポーズを指定してたり、何度も話したことありげな常連さんとおぼしき人が結構多かったり、と見ているだけでも結構興味深い。
一方で、僕はあくまでオブザーバーでいたい…常連になって追っかけたりする沼には嵌りたくないぞ…と思いつつも、ストリッパーのダンスに惹き込まれてついお金を払って撮らせてもらった。
(ちなみに人により1回500 or 1000円)
最後には握手するサービスもあるようだ。ああコミケのコスROM島で見た文化だなと思いつつも、さすがに由来はもっと違うところだろうか…
いやそもそもAKBをはじめとするファンへの有料握手サービスの元祖がもしかしたらここなのかもしれない(誰か詳しいオタク居ませんでしょうか…)。


次の人達以降も和服やドレスなどそれぞれのコスプレをしながら個性あふれるダンスをしていく。曲も洋楽もあれば聞いたことはないがなんだか少し前のアニソンっぽいのまで結構様々だ。ダンスは後ろの人になるにつれてよりキレと激しさやカッコよさ、クオリティを増していく。そして会場もどんどん盛り上がっていく。


ところでそれぞれの衣装はストリッパー本人の希望なのかそれとも誰かに決められたものだろうか?そもそも彼女らがストリッパーになったきっかけはお金のためなのか自己実現のためなのか?なんてことをふと思ったが、どちらにせよ自らの意志でこれを演じてるんだ!と言わんばかりの気迫を感じられる。もしこの姿が自分の本意でなかったとしたら、なんという涙ぐましい努力と我慢なんだろう…と泣いてしまいそうなくらいだ。

そして服を着た時のストリッパーはそれぞれの服などに応じてカッコよかったり可愛かったり、明るかったりと様々なイメージを脳裏に焼き付かせるが、裸になると決まって美しく、そして自分の芯を持ってる感じがして凛々しくなるのがとても不思議で、AVでは感じえないような女性の体の神秘さを感じさせてくれた。

コスプレイヤーとストリッパー

服を着たり素裸になりながらダンスを繰り広げるストリッパーを眺めてると、ふとコスプレイヤーとどこか似てるようでどこか違うなあと考えるようになった。
確かに頑張って服やダンスを通じて表現したり、写真撮影会の雰囲気を見てると、コスプレイヤー達の繰り広げる撮影会やダンスを思い出す。
でもなんか決定的な違いがあることに気付いた。

  • コスプレイヤーは服や装備を作り込み「キャラクターを忠実に表現する」ことが評価される。
  • それに対して、ストリッパーは最初はコスプレにマッチした曲やダンスを披露してなりきりをしているが、一方でダンスの最後では何も身に纏えなくなるので「自分を表現する」ことしか出来なくなる。

そしてストリッパーのその変化のプロセスこそがとても魅力的に感じるのだった。
‥この魅力は、僕がコスプレイヤーを幾度と見るうちに段々と感じてきた物足りなさを埋めてくれる存在たりうるのかもしれない。

後味

6人のダンスを見て満足しつつ、次の周は同じ人でも違う衣装やダンスで出るらしいのでせっかくならもう飽きるところまで見ようと思ったが、1人見たところで腹いっぱいになってしまい退散した。

頑張ってダンスをやりきり、自分を美しくそして芯太く魅せようとするストリッパーを達の姿を見ていると、もうストリッパーのことを風俗やキャバの類として見ることは出来ない。さらにダンスのキレだけでなく裸になるぶん体型に気を付けなければならないわけで、アイドルやコスプレイヤーより、ひいては普通の女性よりも実はストイックな人達なのかもしれない。


ふと帰るとあの勇姿が脳裏に焼き付いて、やはりまた見たいと思ってしまう。ストリッパーは可愛さではなく格好良さの面からとても魅力的に見えるが(特に特定の人を追いかけて)深く嵌ってしまうとやはり人間として何かが失われそうな怖くて深い沼のようにも感じられる。
今日見たメンバーはどの方も魅力的なダンスを披露してくれたけど、もしかしたらもっと素敵なダンスを披露する方がいるのかもしれない。そういえば10日毎にメンバーは入れ替わるらしいので、またしばらく経って気が向いたら見に行こう。僕はまずは一期一会を楽しんでみたいと思う。

感想箇条書き

劇場の雰囲気・客について

  • 雰囲気はバブリーというよりかはどこか庶民的。
  • でも常連さんとおぼしき重課金兵がいる。席位置やサービスはシステム上は一見さんだろうと平等だが、常連でないと立ち入れない領域がある雰囲気がしている(ストリッパーの目の前の席に座る、写真撮影会で長く話しかける行為など)
  • 混雑に関しては日曜でも午後早めに行けば割りと席はそこまで埋まってない。夕方になると結構混んでくる…
    • とはいえ人数は数十人程度のキャパなので、距離感は結構近い。
  • 客はそこそこ齢の高いオジサン達がほとんどだが、若い女子が少し居た。若年層だけで見たら男女比はあまり変わらなさそう。
    • カッコいい、自分を持ってる感じの女性が好きな人は行って見るのも良さそう。ちなみにネット上では若い女子が書いたレポが結構多い…

気づき

  • 服の有無で人のイメージは正反対になることさえある。それをすごく体感できるし、一人の女性が七変化していく姿がとても魅力的。
  • ストリッパーの裸に対して抱く感想はエロさよりも可愛さよりも、カッコよさ。でもそれがいい
  • ストリッパーの一生懸命に様々な自分を表現している素敵な姿を見てしまうと、性的な目で見るのは普通の女子に対してよりも難しくなる。
    • もし我慢出来なくなったら…の心配は不要。勃ちそうにはならないし、もはやそういう趣向の場所には見えない。
    • AV2時間ぶっ続けで見てられないのにストリップショーをすぐ飽きずに見れるか不安…なのは杞憂。それより別次元の圧倒的な魅力がある。

思うこと

  • クオリティの高いストリップ劇場は「劇」を見る場所として今後も生き残ってほしい。むしろこぢんまりしてるのが不思議なくらい。
  • 衰退産業でお年寄りのための場所になりつつあるが、若い世代の集まる場として再生してもおかしくないポテンシャルを感じた。
    • 特にアイドルやコスプレイヤーなどのファンで居ることが好きなタイプとか、可愛いより強い・美しい女性が好きなタイプとか、カッコイイ女性が好きな女性とか…に受け入れられてもいいはず。

さいごに…

  • 帰った後でネットの情報を調べてると、稀に警察のガサ入れがあるそうです。見てるだけの客は基本逮捕されることは無いそうですが、写真撮影会で全裸の写真を撮ってたりすると…マズイかもしれないそうです。
  • 行く際は自己責任で。一度ならまだしも、お金だけでなく逮捕のリスク承知で定期的に通って写真撮影会に参加する常連さんはすごい…

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